【完結】地獄楽を全13巻読んだ感想。極楽浄土は「地獄」だったけど「愛」だった件

地獄楽

美しい花には、猛毒がある。 その言葉をこれほど体現した漫画が、かつてあったでしょうか。

色とりどりの花が咲き乱れ、極彩色の蝶が舞う、美しい島。 しかし、その花の根元には「人間の死体」が埋まっている──。

今回ご紹介するのは、少年ジャンプ+で連載され、アニメ化も果たした傑作『地獄楽』です。

「忍者とか侍が戦うバトル漫画でしょ?」 「なんか表紙がグロそうだから避けてる」

もしそう思っているなら、もったいない! この作品の本質は、残酷な殺し合いの先にある「人間への愛」と、無駄を極限まで削ぎ落とした「疾走感」にあります。

全13巻できれいに完結するため、週末の一気読みにも最適。 極楽浄土という名の「地獄」へ、あなたをご招待します。

ガンマ先生

僕も最初は「怖そうな漫画だな〜」と恐る恐る読み始めましたが…止まりませんでした。 読み終えた後の「美しいものを見た」という満足感は、映画一本見終えた感覚に近いですよ!

目次

3分でわかる!地獄楽(じごくらく)の基本情報

まずは、この物語の設定をサクッとおさらいしましょう。

作品情報
  • 作品名:地獄楽
  • 作者:賀来ゆうじ
  • 連載:少年ジャンプ+(2018年〜2021年)
  • 巻数:全13巻(完結済み)
  • ジャンル:忍法浪漫、サバイバル、ダークファンタジー
  • あらすじ: 最強の忍として恐れられ、抜け忍として捕まった画眉丸(がびまる)。 彼が無罪放免になる条件はただ一つ。「極楽浄土」と噂される謎の島から、「不老不死の仙薬」を持ち帰ること。 監視役の処刑人・山田浅ェ門 佐切と共に島へ上陸するが、そこは異形の化け物が巣食う地獄だった…。

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未読者向け:ここが沼!地獄楽が「美しくも残酷」な3つの理由

数あるデスゲーム系漫画の中で、なぜ『地獄楽』がこれほど評価されているのか? 僕が考える3つの理由を紹介します。

1. 設定が秀逸!「死罪人」×「処刑人」の呉越同舟

この作品、ただのバトルロイヤルではありません。 島に送り込まれたのは、複数の「死罪人(凶悪犯)」たち。 そして、その一人一人に監視役として「処刑人(山田浅ェ門家)」がペアとして同行します。

  • 死罪人:逃げようとすれば、即座に処刑人に首を斬られる。
  • 処刑人:死罪人が死ねば、任務失敗で帰れない。

互いに信用できない、いつ殺し合うかわからない。 そんな「最悪のバディ」たちが、島に巣食う「もっとヤバい化け物」に対抗するために、背中を預けて共闘せざるを得なくなる。 この「極限状態での関係性の変化」が、本作最大の魅力です。

2. 視覚的ショック!「花と死体」のアートワーク

『地獄楽』の世界観は、不気味なのに、なぜか美しい。 敵として登場するクリーチャーや、島の風景は、仏教美術や植物をモチーフにしており、生理的な嫌悪感と芸術的な美しさが同居しています。

ただグロテスクなだけではない、作者・賀来ゆうじ先生の圧倒的な画力とデザインセンス。 「怖いもの見たさ」でページをめくる手が止まらなくなるはずです。

3. 圧倒的密度!全13巻でダレずに完結

長編漫画にありがちな「中だるみ」「無駄な引き伸ばし」が一切ありません。 全13巻(全127話)という長さは、物語の風呂敷を広げ、きれいに畳むのに完璧なサイズ感でした。

最初の島への上陸から、謎の解明、ボスとの決戦まで、トップスピードで駆け抜けます。 「週末に一気読みしたい」「完結済みの名作を探している」という人には、自信を持っておすすめできるコスパ最強の作品です。

主要キャラクターと「運命のペア」相関図

物語の核となる、主要な「死罪人&処刑人」ペアを紹介します。 彼らの関係性がどう変わっていくかに注目してください。

【主人公ペア:画眉丸 & 佐切】

  • 画眉丸(がびまる): 「がらんの画眉丸」と呼ばれる最強の忍。血も涙もない冷徹な殺人マシーン…と思いきや、実は愛妻家。妻の元へ帰りたい一心で戦う。
  • 山田浅ェ門 佐切(さぎり): 斬首刑を執行する山田家の娘。女性でありながら処刑人の道を選んだことで葛藤している。「迷い」を抱えながらも、画眉丸の生き様に触れ、強さを手に入れていく。

【兄弟ペア:亜左 弔兵衛 & 桐馬】

  • 亜左 弔兵衛(あざ ちょうべい): 「賊王(カハク)」と呼ばれる盗賊団の首領。暴力と適応能力の塊。弟のためなら神でも殺す最凶の兄。
  • 山田浅ェ門 桐馬(とうま): 処刑人だが、実は弔兵衛の実の弟。兄を助けるために山田家に入門した。兄依存に見えて、物語後半で大きく成長する。

【打算ペア:杠 & 仙汰】

  • 杠(ゆずりは): 妖艶な女忍者(くノ一)。色仕掛けと嘘で他人を利用して生き残ろうとする。
  • 山田浅ェ門 仙汰(せんた): お人好しで少し太めの眼鏡キャラ。杠の色香に翻弄されているように見えるが、実は博識で分析役として優秀。

彼らが挑むのは、不老不死を操る謎の仙人たち。 果たして、生きてこの島を出られるのは誰なのか?

ここから先は、物語の核心部分である「タオ(氣)の正体」や、「誰が生き残り、誰が死んだのか」について深掘りしていきます。ネタバレを含みますので、まだ読んでいない方はご注意ください! 初見の衝撃を大切にしたい方は、ここで一旦ページを閉じて、漫画を手に取ってみてください。

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完全図解:ややこしい「タオ(氣)」と「天仙」の仕組み

『地獄楽』のバトルを100倍楽しむために避けて通れないのが、この島独自のエネルギー概念「タオ(氣)」です。 途中から「あれ? どっちがどっちに強いんだっけ?」と混乱した人も多いはず。ここで整理しておきましょう。

タオ(氣)とは何か?

一言で言えば、「万物に宿る生命エネルギー」です。 強いだけでは扱えません。タオを使いこなす鍵は、「強さと弱さの両方を知ること」にありました。

  • 強さ(陽):意志、殺意、昂り。
  • 弱さ(陰):迷い、恐怖、静寂。

画眉丸や佐切が強くなったのは、自分の心の弱さを認め、受け入れたから。 「迷ってもいい」「怖くてもいい」。その中道の精神こそが、最強の敵・天仙に対抗する唯一の術なのです。

五行の相克(そうこく)システム

タオには「火・水・木・金・土」の5つの属性があり、ジャンケンのような「相性」が存在します。 天仙(再生能力を持つ化け物)を倒すには、「相性の良い属性で攻撃する」しかありません。

STEP
相性の基本ルール

「相克」の関係を覚えましょう。 相手の属性に対して「有利な属性」で攻撃すれば一撃必殺。「不利な属性」だと攻撃が通りません。

STEP
属性の優劣リスト
  • 【木】は、土に強い(根が土を割る)
  • 【土】は、水に強い(土が水をせき止める)
  • 【水】は、火に強い(水が火を消す)
  • 【火】は、金に強い(火が金を溶かす)
  • 【金】は、木に強い(斧が木を切る)
STEP
主要キャラの属性
  • 画眉丸:【火】
  • 佐切:【木】
  • :【土】
  • 弔兵衛:【金】

敵対存在「天仙様」の正体

島の支配者である7人の仙人、通称「天仙様」。 彼らの正体は、植物が長い年月を経て人の形を得た「植物の化け物」です。

彼らの恐ろしい点は、「陰(女)」と「陽(男)」の性別を自由に切り替えられること。 これは「タオ」を循環させ、無限の再生能力を得るためです。 しかし、唯一の弱点である「丹田(へそ)」を、相性の良い属性のタオで攻撃されると再生できずに消滅します。

【ストーリー深掘り】地獄のような島で彼らは何を見たか

物語は大きく分けて3つのフェーズで進行しました。 それぞれの局面で描かれた「絶望」「希望」を振り返ります。

上陸〜探索編(未知への恐怖)

最初は完全に「パニックホラー」でしたね。 上陸早々、数減らしのために殺し合う死罪人たち。そして、森から現れる「仏像のような顔をした虫」「魚の手足が生えた巨人」。

ここで脱落した者も多かったですが、特筆すべきは画眉丸の妻への愛です。 「妻なんて幻だ」「お前は洗脳されている」と仲間に言われても、決して揺るがない画眉丸の姿に、読者は「この愛は本物であってくれ」と願わずにいられませんでした。

天仙攻略戦(タオの習得)

物語中盤、ついにボスである天仙たちとの総力戦が始まります。 ここで描かれたのは、涙なしでは見られない「師弟の絆」「仲間の死」です。

特に、山田浅ェ門 典坐(てんざ)の最期。 彼は、死罪人であるヌルガイを守るために、絶望的な強さの天仙に一人立ち向かいました。 「俺は自分の思うままに生きる」。そう笑って散った彼の生き様は、師匠である士遠(しおん)と、ヌルガイの心に永遠に刻まれました。

ガンマ先生

典坐のシーンは本作屈指の泣き所です…。 彼の死があったからこそ、バラバラだった一行が「打倒・天仙」で結束できたんですよね。

また、仙汰(せんた)と杠(ゆずりは)の別れもエモすぎました。 絵を描くのが好きだった心優しい仙汰。彼が最期に見た、杠の幻影。 打算だけで生きてきた杠が、彼の死に際して見せた一瞬の「人間らしい表情」に、胸を締め付けられた読者も多いはず。

最終決戦・蓮(リエン)編

ラスボスは、天仙たちを生み出した親玉・宗師 蓮(リエン)。 その目的は、日本全土の人々をタオの養分にして、亡き夫を蘇らせることでした。

スケールがデカすぎる! しかし、対する画眉丸たちの目的はシンプル。「生きて帰る」。ただそれだけ。 ボロボロになりながら、属性の相性を駆使し、全員で連携してリエンの「丹田」を狙うラストバトルは、まさに「知略と総力戦の極み」でした。

結末考察:なぜ「ハッピーエンド」と言われるのか?

壮絶な殺し合いの果てに迎えた最終回(13巻)。 多くの読者が「どうせバッドエンドだろう」と覚悟していた中で、本作は驚くほど美しく、納得感のあるハッピーエンドを提示しました。

なぜ、この結末がこれほど評価されるのか。その理由を紐解いていきましょう。

画眉丸の妻・結(ゆい)は実在したのか?

物語全体を貫く最大の謎。 それは、画眉丸の心の支えである妻・結が「実在する人間なのか」それとも「幻術による洗脳なのか」という点でした。

結論から言えば、彼女は実在しました。

最終話、生き残った画眉丸は無罪放免を勝ち取り、ついに妻の元へ帰ります。 顔の半分に火傷の痕がある彼女と、画眉丸が静かに抱き合うシーン。 「ただいま」「おかえり」。 たったそれだけの言葉に、全13巻分の重みが詰まっていました。

これまでのデスゲーム作品なら「帰ったら妻はもういなかった」とか「やはり幻だった」という絶望オチもありがちです。 しかし賀来ゆうじ先生は、読者の期待を裏切らず、「愛は幻術(ウソ)に勝つ」という王道の答えを描ききってくれました。これが読後の圧倒的な幸福感に繋がっているのです。

生き残った者、散った者の対比

最終的な生存者と死亡者のラインナップには、ある法則が見えます。 それは「変化を受け入れたかどうか」です。

  • 生き残った者(画眉丸、佐切、杠など): 自分の弱さを認め、他者と協力し、変わることを恐れなかった者たち。
  • 散っていった者(典坐、仙汰など): 誰かのために「変わろうとした」その瞬間に、他者の未来のために命を燃やした者たち。

そして、特殊なのが亜左 弔兵衛(ちょうべい)です。 彼はタオを酷使しすぎた結果、人間であることを捨て、弟・桐馬を逃して一人で散った…と思いきや、数年後のラストシーンで「人間ではない何か」として生存していることが示唆されています。 「自分のやりたいようにやる」。その信念を貫き通した彼らしい、規格外のラストでした。

タイトルの意味と「中道」の精神

『地獄楽』というタイトル。 「地獄」と「極楽(楽)」という、相反する言葉が合わさっています。

これは作中で語られた「中道(ちゅうどう)」の精神そのものです。 男と女、陰と陽、強さと弱さ、美しさと醜さ。 どちらか片方だけでは不完全であり、両方を受け入れて初めて「完全」になれる。

この島は、見た目は極楽のようで、中身は地獄でした。 しかし、そんな矛盾した世界を駆け抜けたからこそ、画眉丸たちは「普通の日常」という本当の極楽に辿り着けたのではないでしょうか。

漫画を読み終わった人におすすめしたい関連作品

『地獄楽』の世界観にハマったあなたへ、次に読むべき「ダークで美しい」作品を紹介します。

『チェンソーマン』
アシスタント経験のある藤本タツキ先生の作品。ぶっ飛んだ展開と映画的な演出、そして「愛とバイオレンス」の融合といえばこれ。

『あやかしトライアングル』
同じくジャンプ作品ですが、こちらは「性転換」や「忍者」要素がありつつ、もっとライトなお色気コメディ。地獄楽のシリアスさで疲れた心の保養にどうぞ。


まとめ:弱さを知ることは、強くなること

最強の忍・画眉丸は、物語の冒頭では「虚無」でした。 しかし、島での戦いを通じて「妻に会いたい」という人間らしい弱さ(執着)を認め、それこそが生きる力だと気づきました。

「弱さは、悪じゃない」

『地獄楽』が私たちに教えてくれたのは、完璧超人になる必要はないというメッセージです。 迷ってもいい、怖がってもいい。大切な誰かを想う気持ちさえあれば、人は地獄からだって生還できるのです。

全13巻というコンパクトな中に、人生の大切なことが全て詰まった名作。 まだアニメしか見ていない方は、ぜひ原作漫画で、賀来ゆうじ先生の圧倒的な筆致と、美しいラストシーンを目に焼き付けてください。 きっと、あなたの人生のバイブルになるはずです。

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